岸田文雄首相(自民党総裁)は6日、原爆死没者慰霊式・平和祈念式が営まれた地元・広島市で会見し、10日の内閣改造で入閣する閣僚や現閣僚に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を点検させる考えを表明した。副大臣らも対象とする。結果を踏まえ、関係見直しも指示するとした。安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、自民党議員と旧統一教会の接点が次々に発覚し、支持率が急落したことに危機感を募らせ、対応を急いだ形だ。

岸田氏は、旧統一教会との関係について「私個人はない」と説明。「閣僚は国民に疑念が持たれないよう、社会的に問題が指摘されるような団体との関係に、十分注意しなければいけない」とし、接点があった場合は「適正な関係に見直すよう指示したい」と語った。旧統一教会を巡っては「悪質商法などの不法行為への対応、被害者の救済に万全を尽くす」とした。「早く新しい体制をスタートさせなければいけない」と早期刷新の必要を強調した。

共同通信社が7月30、31両日に実施した世論調査で、内閣支持率は51・0%で同11、12両日の前回から12・2ポイントも急落。新型コロナ感染拡大への不満、安倍氏の国葬への反発とともに、旧統一教会の問題が影響したとみられる。新布陣でイメージ回復を図りたいが、難しい判断を迫られそうだ。焦点は、最大派閥の安倍派の処遇。政権基盤安定のため、最大派閥にも配慮し挙党態勢を構築したいところだが、安倍派では特に旧統一教会との関係が明らかになる議員が相次ぐ。新閣僚に新たな関係が発覚すれば、批判が一層高まるのは必至だけに、岸田人事の行方が注目される。