世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題を追及してきた紀藤正樹弁護士が10日、フジテレビ系「めざまし8」にリモート出演。安倍晋三元首相の銃撃事件で逮捕された山上徹也容疑者(41=殺人容疑で送検、鑑定留置中)の母が記者会見を行う意向を示していることについて、「すべきではない」と私見を述べた。

紀藤弁護士は「会見は個人的にはすべきではないと思っています。統一教会の影響下にある人ということでありますし、基本的には末端信者の方ですので、会見するということであれば本人の意思がきちっと第三者から見ても検証できる形でやっていただくならともかく」とし、「誰の意思なのかをはっきりさせてもらわないと今の段階では会見は難しい」「1億円以上の献金を統一教会に出した事自体を正確にしゃべっていただくような心理状態でなければ、それは本人の基本的な意思とは言えないのではないか」と話した。

また、若狭勝弁護士は、「記者会見の内容によっては少なくとも公判に影響がある」と言及。「息子が今回の犯行を犯したのは統一教会のせいではなく、息子の一方的な邪推とか思い込みであると記者会見の中で言うのか、あるいは逆に、息子がこういう犯行を犯したのは自分に責任がある、自分の影響だと言うのか。この2つのどちらかをどういう形で述べるかによって今後の裁判に『動機の形成』という意味において影響がある」と説明した。

日刊スポーツの取材に応じた山上徹也容疑者の伯父(77)は、事件後に自身宅に身を寄せていた容疑者の母親の様子について話した。母親は奈良地検の事情聴取を受け、事件について「申し訳ない」と話したというが、「彼女の『申し訳ない』は事件、世間に対しての申し訳ないではない」とし、入会している世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対し「迷惑をかけて申し訳ないという謝罪」と説明した。