東京都医師会は16日、Uターンラッシュ後の新型コロナウイルスの感染症拡大に警戒感を示した。尾崎治夫会長は「お盆でこれだけ(人が)動いていますから当然増えていく。8月後半は増える可能性がある」と行動制限のない中での帰省や観光による感染拡大に警鐘を鳴らした。

都は16日の新規感染者が2万3511人、22人が死亡したと発表した。前日15日の新規感染者は2万3135人と横ばい。尾崎会長は「少なくとも、ここ1カ月で何ができるか。3回目、4回目のワクチンを絶対に早く打つということ。そういうところは国がやるべきこと」と政府の対応に注文をつけた。「ワクチンは、むしろ余って廃棄されている。絶対、できるはずなのに、そこをやるっていうのが国の役目だと思う」とした上で経口薬の緊急承認なども国に要望した。

猪口正孝副会長は15日の都の病床使用率59・8%について「相当、限界に近づいている。患者さんに高齢者が多いので介護、介助の負担が大きく、労力として追い付かなくなる」とし、医療関係者が感染拡大の影響で出勤できない状態も拍車をかけているとし、「今、医療界は余力がない」と危機感を募らせた。【大上悟】