自民党の村上誠一郎元行政改革担当相が21日、安倍晋三元首相の国葬(27日、東京・日本武道館)を欠席することを表明した。

岸田文雄首相が閣議決定した国葬を与党の閣僚経験者が欠席するのは異例の判断となる。事務所関係者によると村上氏は「反対が多い中、なぜ強行するのか。安倍氏の名誉になるのかどうか。佐藤(栄作元首相)氏や中曽根康弘元首相が国葬でないのに、なぜ今回は実施するのかという問題もある」などと語っているという。内閣府から送付された国葬の案内状について村上氏は欠席で返送したという。

国葬出席を巡っては野党の対応は割れている。共産党、れいわ新選組、社民は欠席、日本維新の会や国民民主党などは出席を表明している。立憲民主党は泉健太代表ら執行役員が欠席を決定した。だが、執行役員以外は個々の判断に委ね、野田佳彦元首相が「元首相が元首相の葬儀に出ないのは、私の人生観からは外れる」などと出席を表明して党内から異論の声が上がっている。国葬を欠席する立民の岡田克也幹事長は村上氏の義弟にあたる。【大上悟】