将棋の第93期ヒューリック杯棋聖戦を制した藤井聡太棋聖(竜王・王位・叡王・王将=20)の就位式が4日。東京・台場「グランドニッコー東京 台場」で行われた。今期の5番勝負で永瀬拓矢王座(30)を3勝1敗で下し、3連覇を果たした。決着局となった第4局(名古屋市「亀岳林 万松寺」)は7月17日。10代最後の対局でタイトル戦を獲得した。

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から今年もファンを呼んでのパーティーはなし。3年連続で、関係者と報道陣のみの簡素な棋聖就位式となった。謝辞で、「四段のころから声を掛けてもらい、一緒に研究会をしていた永瀬王座との対決を楽しみにしていました。1、2局は苦しい時間が長く、自分の課題を突きつけられた気がします。第3局以降はそれを少しでも修正しようという気持ちで、何とか結果につなげられたと思います。今後も自分の課題と向き合い、実力を高められるよう精進していきたいと思います」と述べた。

式後に行われた会見では、「清新」と揮毫(きごう)された扇子も披露した。新しくて生き生きとしている様子という意味がある。今月で7年目、20代を迎えても、「今までと変わらず、実力を高めていくことを目標にやっていきたいと思っています」と話した。

盤外では最近、トレーニングマットを購入。「プランク」を行っているという。うつぶせ状態で前腕、ヒジ、つま先を地面についた姿勢を維持する体幹トレーニングだ。研究量という知力だけでなく、体力勝負が続く対局に備えている。

7日からは広瀬章人八段(35)の挑戦を受ける、第35期竜王戦7番勝負も始まる。「喜んでばかりいられません。気を引き締めて頑張りたいです」と話した。広瀬との頂上対決は初めて。竜王初防衛がかかる。「強くなることで今までと違う新しさを見いだせるようにできればと思っています」と前を向いていた。