岸田文雄首相は11日の参院本会議で、「法務大臣は死刑のはんこを押す地味な役職」という趣旨の発言をして与野党から批判が拡大している葉梨康弘法相について、辞めさせる考えがないことを重ねて示した。

質問した立憲民主党の川田龍平氏が「聞くに堪えない表現。(法相の)資質を決定的に欠いている」「発言を撤回すればすむ、ということでいいのか」と述べ、辞職させる考えがあるかどうか、首相の見解をただしたのに対し、答弁した。

首相は「昨日、官房長官が厳しく注意をしたところだ。あらためて職責の重さを自覚し、説明責任を徹底的に果たしてもらわないといけない」とした上で「大臣からも真摯(しんし)に反省し陳謝するとの説明があり、発言を撤回したと承知している」と述べた。

また「誤解を招くことがないよう、発言はくれぐれも丁寧に慎重に行ってもらわないといけない」とも述べたが、発言の内容そのものが批判されているにもかかわらず、まるで第三者に誤解を与えるような内容という認識を示したため、議場では激しい抗議や反発の声が起きた。