岸田文雄首相は12日、カンボジアの首都プノンペンを訪れ、東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)首脳会議、日本とASEANの首脳会議に、それぞれ出席した。

11日に、失言の葉梨康弘前法相を交代させるドタバタ劇が起き、カンボジアへの出発時間が延期に。閣僚交代に伴う日程をこなし、首相や裕子夫人らを乗せた政府専用機が羽田空港を飛び立ったのは、当初予定から10時間以上も遅れた12日午前1時18分だった。

首相は、機内でわずかな睡眠を取っただけで早朝に現地到着後、各国首脳が集う会議に出向く「弾丸日程」。ただこのバタバタは、葉梨氏を交代させる判断が遅れたためで、「身から出たさび」でもある。

当初、12日に予定されたベトナムなどとの首脳会談はキャンセル、再調整に。フォトセッションでは笑顔で手を振った首相だが、「外交の岸田」を自負する自身の勝負の場に「葉梨ショック」が影を落とした。13日には、日米韓首脳会談やバイデン米大統領との首脳会談に加え、岸田政権で初となる日韓首脳会談の開催も決まった。「外交の岸田」で自らのピンチを返上できるのか。【中山知子】