名古屋市の河村たかし市長(74)は21日の定例会見で、市内で開かれたイベントに公務で出席した際、4人組の女性アイドルグループと撮影した写真で、右手でつくったポーズについて「(アイドルの)指のポーズをまねてサインをつくったつもりが、卑わいともなんとも思っていなかった。不快に感じる方がみられるということで、おわび申し上げます」と謝罪した。

グループのメンバーと河村氏の写真が公開され、ポーズがインターネット上で「卑わいなハンドサイン」として話題となっていた。

イベントは12、13日、市内の久屋大通公園エディオン久屋広場で開催された「韓国フェスティバル2022in名古屋」。河村氏は公務としてイベントに出席し、関係者の案内のもと、会場内を視察してまわった。その途中で名古屋市のご当地アイドル「アムール」から声をかけられ写真撮影に応じたもの。

グループメンバー2人ずつに挟まれて、河村氏は中央でVサインをとっていたが、リーダー橋本さおりから「このサインでお願いします」と親指と人差し指を交差させた先端がハートに似た形になるポーズを指定され「ええよ」と河村氏が快諾した。

ただ、河村氏は橋本の指先をみつめて「見よう見まねで(ポーズが)できたつもりだった」と語っていたが、人差し指に添えるだけの親指が人差し指と中指の間に入る形になってしまった。

撮影の様子を見守り同行していたイベント関係者や市役所職員などから、特に注意や指摘もなく、このときはそのまま撮影を終了し、そのままイベントの視察を続けた。

撮影をした12日、橋本が自分のツイッターに「初めて河村たかし市長と写真撮っていただけて嬉しかった」と河村氏との撮影写真を掲載すると、河村氏のサインについてコメントが集中し「ハートマーク間違えてますね」「右手にモザイクを」「河村指」などのコメントが多数寄せられた。

会見で河村氏は「あくまでまねたつもりがああいうサインになってしまった。(橋本の)指示に従ったつもりだった。まねた結果、意外なサインになってしまった」と経緯を説明した。そして「以後、このようなことが起こらないように、とっさであっても厳重に注意してまいりたいと思います」と神妙な表情で述べた。

また、写真撮影に応じたことに関しては「私は撮影にはすべて応じるという思いでいる。市長とはそういう仕事であろうと思います」と語った。【寺沢卓】