アマチュア強豪の小山怜央アマ(29)が28日、プロ棋士編入試験5番勝負(日本将棋連盟主催)の第1局に臨み、徳田拳士四段(24)に166手で勝った。試験は新人棋士5人と対戦し、3勝すれば合格となる。小山アマは棋士養成機関の奨励会を経ずに、現行の編入試験を受けるのは初となった。

午前10時に対局が始まり、戦型は角換わり。後手となった小山は、一時はリードを許したが、終盤に正確な指し回しで抜け出した。 終局後、小山アマは「最後は入玉に近い形になってしまったが、最後まで気持ちを切らさずに指せてよかったかなと思う」と振り返った。

小山アマは全日本アマ名人戦、全国アマ王将位大会優勝などの実績を持つ。9月13日のプロ公式戦に勝利し、直近の成績が規定の10勝5敗となり、受験資格を獲得した。

徳田は今年4月に昇段。デビュー後は27勝4敗。勝率は8割7分1厘。28日時点で勝率ランキングは1位の若手の強豪だ。

現行制度の受験者は、里見香奈女流5冠(30)に続き4人目。里見は初の女性棋士を目指し、5番勝負に挑み、対戦成績0勝3敗で不合格となった。

白星発進した小山アマは「勝敗にかかわらず内容は大事だと思っていた。激戦にすることができたので、いいスタートを切ることができた」。12月12日に東京・将棋会館でプロ棋士編入試験5番勝負第2局で岡部怜央四段(23)と対戦する。【松浦隆司】

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