任期満了に伴う4月の徳島県知事選に立候補の意向を固めている自民党の後藤田正純衆院議員(53=比例四国ブロック)が5日、細田博之衆院議長宛てに議員辞職願を提出し、許可された。

後藤田氏は6日に出馬会見を行う予定だが、自民党の三木亨参院議員(55=比例代表)も昨年12月に出馬を表明し、保守分裂含みの様相だ。現職5期目の飯泉嘉門知事(62)は6日の年頭会見で進退を明らかにするものとみられ、飯泉氏次第では大激戦が想定される。

この日、年初の会見で茂木敏充幹事長は「徳島県連とも連携、相談しながら検討したい」とするにとどめた。4年前の前回選で自公の県連組織は飯泉氏を推薦したが、後藤田氏は「飯泉県政」を批判、元自民県議を支援して事実上の保守分裂となった。21年5月には県連会長らが党本部を訪れ、次期衆院選で後藤田氏の非公認を求めた。後藤田氏の飯泉知事や県議会に対する批判を「うそとでたらめにまみれた言動」とし、申入書には県議会自民党の24人全員が署名した。後藤田氏は県連側の主張を「選挙妨害だ」として批判の応酬に。21年10月の衆院選で後藤田氏は初めて小選挙区で落選。比例復活した。

後藤田氏は当選8回。大叔父は、らつ腕ぶりを「カミソリ」と称された後藤田正晴元官房長官で、妻は女優の水野真紀。第2次安倍内閣で内閣府副大臣を務めるなど若手のホープとして注目されたが、11年には議員宿舎での不倫疑惑など女性スキャンダルも報じられた。

三木氏は県連に推薦を申請しているが、県連側は判断を保留。三木氏は19年の参院選で比例区の特定枠で再選しており、任期途中の出馬に否定的な意見もある。調整作業は難航必至だ。【大上悟】