関東地方では昨年末から、数人組の男たちによる、民家や店舗を狙った強盗致傷や窃盗事件が相次いでいる。手口などに共通点も多く、警察は強盗グループが関わっているとみて、東京都狛江市の強盗殺人事件も含めて関連を調べている。

▼昨年12月16日午前5時ごろ、東京都渋谷区の店舗で、窃盗事件。いずれも19歳の男3人組が侵入し、ネックレス8本など29点、販売価格計約272万円を盗む。2人は1月17日、1人は同18日に逮捕。「金に困って闇サイトに応募し(指示役に言われ)実行した」などと供述。

▼1月9日午前3時ごろ、神奈川県川崎市宮前区の民家で、強盗致傷事件。男3人組が侵入し、無職の70代女性の手足や口を粘着テープで縛り、左手をハンマーのようなもので殴打し負傷させ、財布や貴金属を奪った。

▼9日午後7時前、千葉県市川市の質店で、窃盗事件。男3人組がショーケースをハンマーのようなものでたたき割り腕時計約20本、販売価格計約460万円を盗む。男らは身長170センチくらいの中肉かやせ形で、黒色パーカー、スニーカー、白色マスクなどの姿。

▼10日午前1時ごろ、栃木県足利市の民家で、強盗致傷事件。複数の男が、就寝中の会社員の50代男性に暴行を加え、手足を粘着テープで縛って現金約300万円などを奪った。

▼12日午前4時半ごろ、さいたま市西区の民家で、強盗致傷事件。性別不明の3人組が窓ガラスを割って侵入し、80代女性に刃物のようなものを突きつけ「騒いだら殺すぞ」などと脅迫。粘着テープで手足を拘束したり目隠しし、車で連れ回し自宅で解放したという。現金約12万円とキャッシュカード3枚を奪った。

▼12日午後7時半ごろ、千葉県大網白里市のリサイクルショップで、強盗致傷事件。男3人組の2人が客を装って店内に入り、店の70代男性に暴行を加え負傷させたが、何も取らずに逃走した。男たちはパーカーやスニーカー姿だった。13日に三重県の駐屯地に所属する陸上自衛官の男(23)が逮捕。

▼14日午前1時ごろ、茨城県龍ケ崎市の民家で、強盗致傷事件。男3人組が窓ガラスを割って侵入し、無職の70代男性と70代の妻を殴るなどして負傷させ、粘着テープで手足を拘束するなどし、現金約2万5000円を奪った。男らは黒っぽい服装で、包丁や金づちのようなものを所持。

▼14日午前4時~同6時、茨城県つくば市の民家で、強盗致傷事件。男3人組が就寝中だった農業の70代男性と60代の妻に暴行し、手足を粘着テープで縛り「命が惜しかったら金を出せ」などと脅迫。現金約80万円や通帳を奪った。被害者の男性は外傷性くも膜下出血、全身打撲などを負った。

▼19日 東京都狛江市の住宅で住人の大塩衣与さん(90)が遺体で発見された。千葉県警が大網白里市の事件で逮捕した自衛官のスマートフォンの解析で、通信アプリ「テレグラム」で大塩さん宅に強盗に入る趣旨のメッセージが届いていたことが分かり、午後2時45分に警視庁に情報提供。同5時20分ごろ、捜査員が地下1階で見つけた。大塩さんは激しい暴行を受け、両手首を結束バンドのようなもので縛られていた。室内は広範囲で物色され、4種類の足跡が確認された。家族は留守だった。