参院の懲罰委員会(鈴木宗男委員長)は9日午前、国会内で与野党の理事と委員も出席した理事懇談会を行い、昨年7月の初当選から1度も国会に登院していないNHK党のガーシー(東谷義和氏)参院議員に対する第1回懲罰委員会を10日に開会することを決定した。

10日の懲罰委員会では尾辻秀久参院議長から国会議員が国会欠席を理由に懲罰委員会に付される初の事例となったことや、74年ぶりに国会法に基づいて国会出席を促す「招状」を発出したことなどについて説明を受ける。鈴木委員長は理事懇談会後の会見で「(昨年の)参院選が終わってから3回目の国会です。私の元にも多くの人から厳しい声が届いている。同時にガーシー氏の言動について擁護する声は1回もありません」と厳正に対処する方針を示した。

懲罰処分には重い順に除名、登院停止、議場での陳謝、戒告がある。鈴木氏は「(懲罰の内容について)具体的な話はなかった。今後、各党会派で意見を取りまとめる」と説明し、今後、懲罰委員会を重ねて処分が検討される。処分が下されれば、参院では2013年に無許可で北朝鮮に訪問したアントニオ猪木参院議員が30日間の登院停止となって以来となる。

NHK党の立花孝志党首から8日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに滞在しているガーシー氏によるオンラインでの意見聴取を求められていた。だが、鈴木氏は「オンラインは認めません。これは国会のルールで、どの委員会もやっていない。理事懇談会でも認めないとした決定事項」と却下した。その上で「言いたいことがあれば、出て来て言うべき。簡単な話です」とした。