参院懲罰委員会(鈴木宗男委員長)は21日、昨年7月の初当選から1度も国会に登院していないNHK党のガーシー(東谷義和氏)参院議員(比例代表)に対して、「議場での陳謝」とする処分を全会一致で決定した。

懲罰には重い順に除名、登院停止、議場での陳謝、戒告がある。NHK党の浜田聡参院議員が「私ガーシーは不当な拘束を受ける可能性があるので、帰国登院をしません」などとする弁明書を読み上げ、浜田氏は委員会後、ガーシー氏が「議場での陳謝」に応じる可能性について「ない」と断言した。

22日の参院本会議で処分が発議され、出席議員の過半数の賛成によって可決する。「議場での陳謝」の処分が採決されれば参院では初のケースで、参院での処分は2013年に無許可で北朝鮮に訪問したアントニオ猪木氏が30日間の登院停止となって以来となる。

処分が決定すれば、登壇して陳謝が求められる。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに滞在中のガーシー氏が出席しない場合、処分は再度、懲罰委員会に付託されることになる。

過去に国会議員の除名は2例あり、1951年(昭26)3月に川上貫一衆院議員が「議場での陳謝」の処分を受けたが、拒否したため、除名となった。ガーシー氏が「議場の陳謝」を拒否したものと判断されれば、最も重い除名処分が下され、議員の身分を失う可能性が出てきた。【大上悟】

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