高市早苗・経済安全保障担当相は9日の参院内閣委員会で、自身が登場する放送法の「政治的公平」に関する総務省の行政文書について「この文書については、明らかに正確なものではないと断言ができます」と言い切った。

「これを正しい文書であるといわれてしまえば、私は本当にどうしようもない」と述べ、作成者や日時が不明な箇所があることに触れ「勝手につくられたメモだと思った」と指摘した。

立憲民主党の吉田忠智参院議員の質問に答えた。

高市氏は、自身にかかわる4枚分の文書を「しっかり熟読した」と強調した上で「私が言うはずもないことが書かれている」などと指摘。「(当時の)礒崎陽輔首相補佐官のはたらきかけで私の答弁が変わったようにいわれているが、私自身は(そんなことは)ない。現場と礒崎さんとの間でやりとりがあっても、(当時の総務相の)大臣室も私も完全にやりとりからスルーされている」と訴えた。

内容について「当時、私は確認をとられておらず、(文書の)配布先からも外されている。大臣室からでも、他の部署のフォルダーは開けない仕組みになっていた。当時こういう文書が保存されていたことがわかれば、当然抗議していた。開けないので対応のしようがなかった」とも訴え、今回、小西洋之参院議員の質問で初めて「このような文書が保存されていたことを知った」と訴えた。

自身の責任を問われると、文書が作成された当時大臣を務めていた総務省の職員が作成した行政文書であることに触れ「総務省の職員は優秀な人が多い。足かけ4年働かせてもらい、愛情もある」としながらも「こういう不正確な文書が保存されていたということは、残念に思う」と述べた。