藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が史上最年少6冠となった。

栃木県日光市「日光きぬ川ホテル三日月」で19日行われた、将棋の第48期棋王戦コナミグループ杯5番勝負第4局で先手の渡辺明棋王(38)を下した。

シリーズ3勝1敗として初の棋王を獲得するとともに、20歳8カ月の史上最年少6冠を達成した。過去の6冠は、1994年(平6)12月に羽生善治現九段(52)が24歳2カ月で獲得しただけ。藤井はこれを3年6カ月更新した。渡辺は名人の1冠に後退した。

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羽生は6冠を達成するまで、タイトルを2度失っている。1989年(平元)、当時の史上最年少記録となる19歳3カ月で初タイトルとなる竜王を獲得したが、翌年谷川浩司現九段に奪われた。91年に棋王を獲得後、92年に王座、竜王、93年棋聖、王位も獲得して5冠となったが、同年暮れに竜王を佐藤康光現九段に奪われ、4冠に後退した。

94年6月に名人を初めて獲得して5冠に戻った後、同年12月に佐藤康から竜王を奪い返し、24歳2カ月で将棋界初の6冠(獲得順に棋王、王座、棋聖、王位、名人、竜王)となった。

同年の王将戦挑戦者決定リーグ戦を勝ち抜き、95年1~3月の王将戦7番勝負に登場するも、谷川王将(当時)に3勝4敗で敗れた。その後、6冠を保持したまま95年暮れに再度、王将戦の挑戦者となると、翌96年の7番勝負(1~2月)で4連勝してタイトルを奪って前人未到の7冠全制覇を果たした。