前参院議員のガーシー(東谷義和)容疑者(51)が24日、実家の家宅捜索を受け、号泣した。

この日午前、警視庁捜査2課は著名人らに対する暴力行為法違反(常習的脅迫)などの疑いで逮捕状を取ったガーシー容疑者が、インターネットの動画投稿で得た収益の一部が親族の口座に移った疑いがあるとみて、兵庫・伊丹市の実家に捜査員が入った。ガーシー容疑者は海外渡航した2021年末まで実家に居住していた。警視庁は押収資料を分析し、容疑の裏付けを進める。

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイを拠点に海外滞在中のガーシー容疑者は強気の姿勢を一変させた。インスタグラムのライブ配信で「77歳のおかん捕まえて、勾留して何が出るんですか。うちの母親だけは、ほんま止めて下さい」と、むせび泣いた。「おやじも自殺して、俺まで犯罪者みたいになって、これ以上、おかんを苦しめたくないんです」と嘆願を繰り返し、「もう俺のことはどうなってもいいので。おかんだけはほんまに勘弁してください」と訴えた。

ガーシー容疑者は昨年2月から8月に動画投稿サイト「ユーチューブ」で俳優の綾野剛(41)ら3人を脅迫し、うち1人の事業を妨害し、撤退を強要した疑いがある。警視庁捜査2課は昨年12月から同容疑者に任意聴取を複数回要請したが応じず、今年1月に動画投稿で得た収益を管理する会社代表の自宅など複数の関係先を家宅捜索した。

ガーシー容疑者は昨年7月の参院選で初当選したが1度も国会に登院せず、15日の参院本会議で除名となり、議員の身分を失った。外務省は23日、同容疑者に旅券(パスポート)返納命令を出し、4月13日の期限までに返納しない場合は旅券は失効し、現地で不法滞在となる可能性がある。

ガーシー容疑者は逮捕状が取られた16日、SNS(会員制交流サイト)で帰国しないことを表明しているが、警察当局は旅券返納に応じなかった場合に国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配する方針を固めるなど、ガーシー包囲網は急展開をみせている。【大上悟】