4月1日午前、エープリルフールを意識した「分かりやすいウソ」が次々に繰り出された。

オタフクソースは広島県の水道の蛇口からお好みソースが流れるサービスを導入するというウソの情報を、映像付きで流した。この蛇口を使ったネタはカルピスとも重なって、相互に公式コメントを出し合った。亀田製菓「ハッピーターン」は苦いパウダーのかかった「つらターン」をつくるなど、この日のSNS上は楽しいウソでにぎわった。

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オタフクソース(本社・広島市西区)は「広島県が蛇口からお好みソースが出るサービスを4月1日から始めた」という女性アナウンサーのような人物が伝える1分40秒のニュース風の動画を公式ツイッターに掲載した。

製作を担当した入社17年目の販促課・坂本由佳理さん(39)は昨年10月に九州支店から異動になり「念願の販促課だったんです。以前からエープリルフールで何かやりたいと思っていた」と話す。今年1月から企画を練って6本の候補の中から内容を詰めた。社員13人が動画撮影に協力。蛇口も今回の動画だけのために外注で新品をつくった。

蛇口をひねると裏に隠れている社員がソースを送り出す手動式。広島式のお好み焼きや天ぷら、弁当などに次々にソースをかける様子が映し出されている。「お好み焼き以外の使い方を知ってもらいたかった」と坂本さん。動画は台本もなくぶっつけ本番のアドリブながら女性社員が「かけ放題なので最高です」とのセリフも残せた。

フォロワーからの「静岡県民『(大丈夫かオタフク?)』愛知県民『オメーのところも大概だからな?』」との投稿にも公式コメントとして「広島県民『大丈夫です』」との粋なつぶやきで返していた。

蛇口を使うパターンでは、カルピスも公園に設置されている水飲み台の水玉模様の蛇口からほとばしる映像を流していた。その動画にも即座にオタフクソースが反応し「カルピスさんも!」「最高だー」とツッコミを入れると、カルピスからも「まさかの蛇口ネタ被り…」と公式コメントでホメ合っていた。【寺沢卓】