東京都は6日、批判の声が相次いでいる神宮外苑再開発計画について、事業者に対し、多くの都民の共感と参画を得ながら推進するよう求めた昨年5月の要請への取り組み状況が不十分として、「早急に具体的かつ効果的な対策を示すとともに、主体的に実施するよう要請を行いました」と発表した。

都は、昨年5月26日付で、幅広い都民参加や既存樹木の保全、わかりやすい情報発信などに取り組み、多くの都民の共感と参画を得ながらまちづくりを推進するよう要請。事業者からは昨年8月と今年2月に取組状況の報告がなされた際に、市民参加型の植樹イベントや献木による植樹などの予定が報告されたというが「具体的な取組内容や実施時期などが示されていない」と、指摘した。

また、名所のイチョウ並木の保全や緑を増やす取組などが「十分伝わっていない」とも指摘。「未だ都民の理解や共感が得られている状況に至っていない」として「神宮外苑地区においてまちづくりを進める意義や理念が多くの都民の理解や共感を得られていないことが大きな問題だと認識しています」としている。

今後、事業を進めるためには「都民の理解や共感を得ることが極めて重要」とし、早急に対応策を示すよう求めた。

再開発計画に対しては、大量の樹木が伐採されることに加え、工事によってイチョウ並木の根に影響が出ることが指摘されている。

また3月28日に亡くなった音楽家の坂本龍一さんが、再開発計画に反対する手紙を生前、小池百合子都知事らに送っていたことが明らかになり、あらためて再開発計画への関心が高まっている。