東京・北区長選は16日、告示され、出馬をとりやめたアイドルグループ「光GENJI」元メンバーで俳優の大沢樹生(53)が、6選を目指す現職花川与惣太(よそうた)氏(88)の応援遊説を行った。

大沢は、花川氏側と選挙協力で合意したとして、立候補をとりやめて、花川氏の選挙戦を支援することを今月5日に表明した。JR王子駅前の花川氏の第一声で「本来なら2週間前まで私も区長候補でした」と切り出した大沢は、「花川候補は次の6期目を政治家としての集大成にしたいと。私の公約を託せるのではないかという気持ちも確かにあった。熟考した末、辞退して花川さんの応援に回ると伝え、政策協力の合意に至った」と、出馬辞退の経緯を有権者にあらためて説明した。

「『年齢はただの数字』が私の心情。瀬戸内寂聴さんは99歳まで現役でおられたが、花川候補は現実的に挑戦されていることに敬意を表する」とし、「今後もし災害が起きた時、だれがリーダーシップをとるのかといえば、北区を熟知している花川候補だと思う」と述べ、支持を訴えた。

一方で「北区をよりよくしたい、皆さんに安心で豊かに暮らしてほしいという、立候補表明時の思いは変わっていない」と、複雑な心情も口にした。「その気持ちを花川候補に託し、短期決戦だが全力で応援させていただきます」と訴えた。

88歳で、多選への批判もある花川氏は、5期務めた区長としての実績を並べ「大変厳しい戦いになるが、健康そのもので頑張る。今回はなんとしても勝たせてください」と、声を張り上げた。

北区長選には、自民党の元都議の山田加奈子氏(51)、元北区議の駒崎美紀氏(44)、飲食店経営の橋本弥寿子氏(70)も立候補を届けた。【中山知子】