元参院議員でジャーナリスト有田芳生氏のテレビ番組内での発言で名誉を傷つけられたとして、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が有田氏と日本テレビに、計2200万円の損害賠償などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が16日、東京地裁で開かれた。

訴状によると22年8月、有田氏は日テレ系情報番組で旧統一教会について「霊感商法をやってきた反社会的集団だっていうのは警察庁ももう認めている」などと発言。原告の旧統一教会側は、この発言が「社会的評価を著しく低下させるもの」として事実ではないと主張した。

有田氏は意見陳述で、発言は取材に基づいたものであるとし「この裁判を通じて、統一教会組織の反社会性を徹底的に明らかにしていく」と述べた。また、原告の訴訟は世論対策やマスコミのけん制を意図した「スラップ訴訟」であると訴えた。

有田氏は口頭弁論後、弁護団らと報告集会を開いた。集会にはジャーナリストの鈴木エイト氏などが出席した。

旧統一教会は、紀藤正樹弁護士や他の民放テレビなどを相手取った同様の訴訟を、この裁判を含めて計5件起こしている。【沢田直人】