上野愛咲美女流立葵杯(女流名人=21)への挑戦権を目指す、囲碁の第10期会津中央病院・女流立葵杯準決勝、藤沢里菜女流本因坊(24)対上野梨紗二段(16)戦が20日、福島県会津若松市「今昔亭」で行われた。午前11時から始まった対局は、序盤の攻め合いからリードを奪った藤沢が上野の激しい追い上げを最後にかわして、226手までで白(後手)番中押し勝ちし、挑戦者決定戦進出を果たした。同日同所で行われた準決勝で仲邑菫女流棋聖(14)を下した向井千瑛六段(35)との決勝は、21日午前11時から同所で打たれる。

藤沢はホッとした表情を見せた。「3局くらい打った気分です」と苦笑いした。攻め合いを挑んできた上野を相手に序~中盤は「打ちやすくなった」と感じていた。そこから少しずつあやしくなり、厳しく追い上げられる。「最後は負けていたかもしれない」と思ったほどだった。女流立葵杯、女流本因坊各6期、女流タイトル獲得は歴代2位の21期獲得の実力者が終盤は経験値の差で冷静に突き放した。

「途中の反省点を生かして、挑戦者決定戦は自分らしく打てれば」と抱負を語っていた。