営利目的で乾燥大麻を所持したとして、警視庁と高井戸署は12日、大麻取締法違反の疑いで東京農大ボクシング部に選手として所属する大学生の男(19)と知人で職業不詳の埼玉県新座市の男(19)を逮捕した。

逮捕容疑は4日午前2時ごろ、東京農大から北に約4キロ離れた世田谷区上北沢の路上に停車した自動車内で、緑褐色の乾燥大麻7・87グラム(末端価格約3万9000円相当)を営利目的で所持した疑い。

東農大広報担当によると、7月4~6日に、大学に隣接した体育会系学生の生活する常磐(ときわ)寮が警視庁の家宅捜索を受けたという。8日の関東大学リーグ戦で東洋大と優勝をかけた対戦となる予定だったが出場を辞退。東洋大がリーグ戦を制した。ボクシング部の部長と監督からは8日付で辞任届が提出されたが、大学側は逮捕された学生以外の17人の部員の対応に当たらせることを確認して、両名の辞任届は受理せずに預かっているとしている。

大学は12日付でボクシング部の活動の無期限停止を決定。学内のボクシング部の練習場を封鎖した。今後、東農大の所属としての選手活動を禁じたが「卒業した高校などのある各都道府県での活動は自由。国体に関わる本予選出場には制限はかけない」としている。

東農大敷地内では多くの農作物の栽培をしているが、広報担当者は「大麻を学内や寮内で栽培している事実は絶対にない。どこで大麻に関わるようになったのか、今後の警察の調べにお任せしたい」と話した。【寺沢卓】

▼東農大ボクシング部 1925年創部。学内の体育会系では五輪代表を排出しているのはボクシング部だけ、過去7人が五輪に出場している。関東学生リーグでは過去8度の優勝の強豪。昨年のリーグ戦は準Vで、今年は優勝の期待がかかっていた。