将棋の第71期王座戦挑戦者決定戦は4日、大阪市の関西将棋会館で指され、藤井聡太7冠(21=竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖)が豊島将之九段(33)を破り、永瀬拓矢王座(30)への挑戦を決めた。藤井は防衛まであと1勝の王位戦を制し、残る王座を奪取すれば、初の全8冠独占を達成する。

終局後、関西将棋会館で行われた会見の主な一問一答は以下の通り

-感想戦を終え、改めて対局を振り返ると

藤井 仕掛けのあたりで失敗してしまい、苦しい局面が多かった。終盤、お互いが適切な判断ができない局面が多く、ミスが出てしまった。

-今期の王座戦を振り返ると

藤井 挑戦者決定戦2回戦の村田六段との一局は、終盤、はっきり負けの局面があった。本局も、いくつかはっきりと苦しい局面があった。これまでと比べて、内容的によくなったとは言い難いところもある。

-王座戦5番勝負の相手はVS(ブイエス=1対1の練習対局)を行う研究パートナーの永瀬王座

藤井 私が四段のころから将棋を教えていただいて、本当に、自分を引き上げてくれた方です。タイトル戦で対戦できるのを楽しみにしています。一方で普段から指しているので手の内を知られている。5番勝負に向け、さらに工夫が必要なのかなと思う。

-永瀬王座とのタイトル戦は22年の棋聖戦5番勝負以来となる

藤井 昨年の棋聖戦では永瀬王座の序盤からの工夫が多かった。今度は、こちからも工夫を出していけるシリーズにしたい。

-王座戦5番勝負を控え、永瀬王座との練習対局は

藤井 先月までこれまで通り、指していただいていた。今回は昨年の棋聖戦と同様に、いったん休止して、シリーズ後にお願いできれば考えています。

-永瀬王座から影響を受けた部分は

藤井 受けの技術は高い。練習将棋で少しだが、吸収できたところもあった。練習将棋でも一局ごとに、作戦を考えて、こられる。公式戦と同じような姿勢を間近に感じられたことはプラスだった。

-永瀬王座と8冠制覇という注目を集める舞台で、戦うことへの思いは

藤井 8冠がかかることは、それほど意識していない。昨年の棋聖戦は防衛戦だったが、今回は挑戦者として対戦できることが楽しみ。全力を尽くして、いいシリーズにしたい気持ちが強い。

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