英チャールズ国王の次男ヘンリー王子(38)が9日、東京都内で開かれた国際スポーツ振興協会(ISPS)のスポーツをテーマにしたサミットに出席した。

パネルディスカッションに登場し、慈善活動とスポーツについて討論。負傷兵や退役軍人らの国際スポーツ大会「インビクタス・ゲーム」を主宰する王子は「私の人生は常にチャリティーだった」と振り返り「スポーツは肉体や心も癒やすことができる。サッカー、ラグビー、ポロ、何でもいい。子どもたちにもスポーツが生む価値を教えたい。身体を動かせば、つながりも生まれる」などと語った。

8日の来日時は黒キャップにポロシャツだった王子は、グレーのスーツにノーネクタイ。慈善活動を通じて交流を深めたISPSの半田晴久会長が、王子が共同設立した慈善団体「サンタバリー」や「インビクタス-」を支援。今回の来日にもつながった。ISPS側によると、渡航や滞在の費用は王子側が負担し、ノーギャラという。警備は王子側、ISPS側がともに手配。所轄署の私服警官も警戒に当たったそうだ。

ラグビーW杯観戦などで19年11月に訪れて以来、約4年ぶり2度目の日本。王室の公務を退いてからは初めてで、4年前とは自身を取り巻く環境が激変した。米国移住後は妻メーガン妃との「お騒がせセレブ」ぶりばかり目立つが、半田氏に「プライベートは関係ない。慈善活動家の活動しか見ていない」と水を向けられ、複雑そうに表情を変えるシーンもあった。

前回同様、単身での来日。日本の印象を「文化に個性がある。4年前もそう感じた。日本なら幸せに暮らせるんだろうなと思う」と話す場面もあった。王子とともに来日した関係者は「(空港で)誰もどなる人がいなかった。日本は素晴らしい」と話したといい、つかの間の平穏を感じたのかもしれない。今後はシンガポールに移動し、12日にポロの慈善試合に参加するという。【中山知子】