自民党安倍派(清和政策研究会)の塩谷立会長代理は17日、党本部で開いた派閥の総会で、安倍晋三元首相の死去後、空席になっている会長職を含めた派閥の新体制について、新たな意思決定機関「常任幹事会」の設置と、自身が「座長」に就任することを表明し、承認された。

塩谷氏は総会後、報道陣の取材に「会長については時間をかけて選んでいきたい。それまでの間、常任幹事会の設置と座長に私が就任すること、(当選)期別の幹事を選任し、そのほかの人事は私に一任することで、全会一致で承認をいただいた」と述べた。新体制とはいっても、当面の間の暫定の体制となる。

「座長」就任に当たり「大変重責を担ったという思いだ」と述べた塩谷氏は、本来、新しい会長を選ぶべきという声は、自身も含めて「多くの意見」があったとしながらも「(安倍氏に替わる)新会長はなかなか決められない状況にあることは、ほぼ全員にご理解いただいた」と、説明した。ともに会長代理を務める下村博文元文科相も、塩谷氏の「座長」ではなく、新会長を選ぶべきとの考えを訴えていた。

今後は、派閥の運営の重要事項は常任幹事会で決めるとした。閣僚経験者らを中心に選ぶとしており、萩生田光一政調会長ら次期会候補と目される「5人組」や下村氏がメンバーに入るかどうかには、この場では触れなかった。

塩谷氏が就任する「座長」の名称については「会を代表する名前にふさわしくない」との声があるとして、「代表」「代表幹事」などの案が出たという。

新体制の正式な船出の次期は「できるだけ早く」としながらも、一定の時間を要するとの認識を示した。正式な新体制への移行時期については「次の選挙や総裁選など、節目の時期を考えていろんな動きが出てくると思う。いつまでとは申し上げられない」と述べるにとどめた。

派閥の名称は当面「安倍派」のまま変わらない見通し。安倍氏の死去から1年以上が経過しても派閥の会長が決まらない事態について、塩谷氏は「今も過去の会長も、数年かけて会長になったと思う。候補といわれてすぐになった方はいないと思う」とした上で「ましてや突然の安倍さんの逝去で、誰も準備をしていない。安倍さんがもっと頑張っていただくことに期待していた」と述べ、安倍氏の後継会長選びの難しさをにじませた。【中山知子】