東京都の小池百合子知事は25日の定例会見で、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出が始まったことを受け、中国側が24日から日本産水産物の輸入全面停止の措置に踏み込んだことを受けて、「魚の大消費地である東京が力を発揮することで、漁業や販売に当たる皆さまを応援していきたい」と述べた。都民が福島産の魚を食べることで、現地支援につなげることへの協力も呼びかけた。

小池氏はこの日の昼食で、福島県沖で水揚げされた「常磐もの」と呼ばれる魚のスズキなどを食べたと述べ「とてもおいしくいただいた。常磐ものを応援していこうということで、福島県の魚をこれからも応援していきたい」と話した。東京都は東日本大震災発生以降、福島県を含む被災地の農産品を職員食堂で活用していることに触れ「東京は農水産物の大消費地だ。被災地産品の魅力について、PR活動を通じて復興を後押ししたい。皆さんにも、食べることで復興支援にご協力いただきたい」と呼びかけた。

中国側の措置に伴い東京の漁業関係者らが受ける影響について、何か支援するのか問われると「今回(中国側から)このような措置をとられることには、国の方でしっかり対応していただきたい」とした上で「販路として、海外での販売や営業を行ってきた企業もたくさんいらっしゃると思う。消費地である東京の販路を、キャンペーンなども通じて行っていきたい」と述べた。

このタイミングで処理水の海洋放出を決めた政府の対応については「政府としてお考えになったことと思う」とした上で「科学的に、しっかり世界に発信をしていく努力をしてほしい」と訴えた。中国側の対応については「お隣にそういう国があるということですね」と述べるにとどめた。

復興支援と風評被害対策の違いについては「復興支援ということでつながっている。今後もより(支援に)力を入れてやっていきたい」と訴えた。