将棋の藤井聡太8冠(竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖=21)の凱旋(がいせん)記者会見が13日、愛知県名古屋市「名古屋将棋対局場」で行われた。7冠を保持していた藤井は11日、京都市で行われた第71期王座戦に挑戦し、王座を初めて獲得。将棋界の8大タイトル全制覇を果たし、地元に帰ってきた。
ちょうどこの日、内閣総理大臣顕彰が贈られることが発表された。「驚きと同時に大変光栄なこと」と、28社80人の報道陣を前に喜びをかみしめた。激闘の末の勝利から約44時間、「実感や達成感が徐々にわいてきた一方で、重みを感じています」とした。
5歳で将棋を始め、ついに「天下統一」を果たした。「夢中になるものと出合えたのは幸運だった。子どもたちにも何か夢中になるものを見つけてくれたらと思います。それが将棋だったらうれしい」と、穏やかな表情で話した。
会見に同席した師匠の杉本昌隆八段(54)からは、「久々に弟子たちの研究会をしたい」と出席を要請された。「この場で言質を取られると」と苦笑いの藤井だったが「機会をつくることができれば」と応じた。
3年前、初タイトルの棋聖を獲得した時、杉本八段の師匠(藤井の大師匠)にあたる故板谷進九段の墓参りをした。「東海にタイトルを」と名古屋市で尽力した大師匠の悲願を達成するどころか、「東海に全冠」をもたらした。「(大師匠に)よい報告ができると思います」。
来週17、18日には竜王戦7番勝負第2局で同学年の伊藤匠七段(21)と対戦する。「いい将棋を指したいです」。対局場は8冠を達成したのと同じ京都市。今度はこちらに凱旋だ。【赤塚辰浩】

