藤井聡太竜王(名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖=21)が4連勝して一気に3連覇を果たすか。タイトル戦初登場ながら、かど番の伊藤匠七段(21)が一矢報いるか。将棋の第36期竜王戦7番勝負第4局(北海道小樽市「料亭湯宿 銀鱗荘」)は10日、82手目を伊藤が封じ、初日を終えた。

伊藤が別室で封じ手を記入するため席を外していた間に、立会人の渡辺明九段(39)が藤井に寒くなりそうな2日目の空調をどうするか、気遣う場面もあった。

この日午前9時からの2日制で始まった対局は、角換わりの出だしで午前中から激しく駒がぶつかり合った。午後0時30分までに74手も進むハイペース。午後1時30分の再開後、伊藤の研究と思われる指し手に56分、137分と藤井が時間を費やして長考する場面が目立ち、7手進んだだけだった。

局面はもう終盤。お互いに詰みまで読んでいるとみられる。持ち時間各8時間のうち、初日の消費時間は藤井が4時間34分、伊藤が2時間40分。2日目は藤井は残りの3時間26分で戦うのに対し、伊藤は5時間20分も残している。この差がどう出るか。11日は午前9時に伊藤の封じ手が開封され、対局再開となる。