岸田文雄首相がロシアのウクライナ侵攻などを念頭に、外交の舞台などで「人間の尊厳」と繰り返していることをめぐり、れいわ新選組の山本太郎代表が28日の参院予算委員会で「(国民の)人間の尊厳が守られていない」と訴える場面があった。

山本氏は、日本の相対的貧困率が15・4%にのぼり、米国や韓国を上回っているとする厚労省のデータをもとに「貧困率の上位国を日本が抜いている。日本だけが30年に及ぶ不景気にコロナが来て、物価高のトリプルパンチだ。中間層も低所得者も人間の尊厳を守れる生活を送れていない」と指摘。その上で「総理が考える人間の尊厳を教えてほしい」と問いかけた。

これに対し、岸田首相は「国際社会が根底から秩序が揺らいでいる不透明な時代にあって、あらためて法の支配に基づいた自由で開かれた国際秩序を守っていく。この1点において国際社会が再び結集することが大事と申し上げている。その先に目指すのが、人間の尊厳だ。人間の尊厳を守る目的のため、国際法に基づく国際秩序を守っていくという点で、国際社会を結集していくことが重要だ。こうした考えに基づいて外交を進めている」と、外交の視点に基づく内容の答弁をした。

しかし、山本氏は「外交答弁のコピペはいらない。人間の尊厳って、何ですか。総理の考えを聞きたい」と再度、ただすと、首相は「人間が平和に通常の生活を送ることができる。食事も医療も必要な時アクセスでき、家族が平和に過ごすことができる。こうした環境をつくることが人間の尊厳を守ることだ」と、あらためて答弁した。

山本氏はこども家庭庁の資料で、23年度の食糧支援申込者へのアンケートで「米が買えない時があった」「子供の服や靴が買えない時があった」と答えたケースが半数以上に及んだデータを示しながら「苦しんでいるのはひとり親世代だけではなく、中間層も大変だ。人間の尊厳が守られていない」と指摘。「この国の生きる人を救ってほしい」と述べ、消費税を廃止するか減税するかを実現するよう訴えた。