大阪府知事や大阪市長を務めた弁護士の橋下徹氏は3日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」に出演し、日大アメフト部の違法薬物事件をめぐる林真理子理事長の一連の対応について疑問を示した。

林氏が促す形で辞任が決まった沢田康弘副学長について「調査報告書の中ではいちばん責任が重いと。当初(部員への持ち物検査で)薬が出てきた時にそれをすぐ報告しなかったということで、いちばん責任が重いということになっている。辞任ということになったが、林理事長の方にパワハラを受けたということで訴訟を起こしているということなんですが、僕は今回の問題は、林理事長の組織運営にも、ものすごい問題があると思う」と指摘した。

林氏について「作家さんとしてはすばらしい作家さんですが、巨大な組織を動かすにはそれなりの知識や能力が必要。かなり、林さんはそこの部分が欠けている。欠けているなら助力を得るための助言者が必要だと思う」とした上で、「沢田さんは確かに悪いが、林さんは会議の出席をいきなり禁止したりした。理事長の権限ではいきなり(禁止)はできない。副学長に対しては、まず理事会か学校側の経営会議のようなところで議論した上でやらないといけない。理事長がいきなりやってしまうとある意味、独裁になってしまう」と、手順に問題があったと指摘した。

「(自分が)知事、市長の時にも、何か職員に問題があった時でも、いきなり『お前は会議に出るな』ということはできない。手順を踏まないといけない」と自身の経験や役所のルールを振り返り「日大にはいろんなルールがある。林さんはちょっと、その認識がなかったのか、すっ飛ばしてしまった。組織の運営のあり方じたいに問題があった」と指摘した。

一方で「いきなりアメフト部廃止というのは、部員に対しては、ちょっと違う。かわいそうと思う」と、部の廃部方針にも疑問を呈した。当初、1日の理事会で廃部が正式に決まるとみられながら継続審議となったことを念頭に「廃部(の方針)は、今いったん止まっているらしいですが、こういうことが日大の運営方針として問題だ」とも指摘。ただ最後には「林さん、頑張ってもらいたい」とメッセージを送った。