自民党の石破茂元幹事長は11日夜、BSフジ「プライムニュース」に出演した。

岸田文雄首相が、派閥パーティーをめぐる政治資金問題を受けて、現在政務三役に就いている安倍派の議員を全員交代させて「一掃」する案が出ていることについて「安倍派だから全部だめ、そのほかの派閥や無派閥は全部OKというのは、そうなんですかね」と、疑問を示した。

更迭論が出ている松野博一官房長官の後任に、茂木派の加藤勝信元厚労相や無派閥の梶山弘志幹事長代行ら、他派閥や無派閥の議員の名前が浮上していることについても「今(後任に)名前が挙がっている人はみんな立派な人。この人たちが問題と言っているわけではなく、安倍派でなければなんでもよろしい、というのはどうなんだろう」と述べた。「安倍派にも立派な人はいっぱいいる。今(政治資金問題で)名前が上がっている人も、具体的な事実が発覚したわけでもなく、ご当人たちがこれから明らかにしますと言っている」とした上で、「今は(岸田首相は)こういう段階にあり、いついつまでに報告できますということを(議員側に)求める方が先だ。なんだか分からないままに安倍派は一掃し、その他の派閥、無派閥はいいというのは、理屈としてよく分からない。他の派閥からも(政治資金問題が)出たら、どうするのか」と訴えた。 「無派閥で閣僚を(過去に)やった人、派閥色が薄い人は、身辺調査をやる必要もなく能力もはっきりしている。立派な人たちだからいいだろうというのは確かにそうだろうが、安倍派一掃ということでおしまいとなると、なぜ安倍派だけ(が一掃)なのということと、他の派閥からも出たらどうしますかということ。(他派閥の議員からも問題が場合は)本当にその時こそ、(首相が言う)国政の遅滞どころの話ではない。自民党政権は終わりますよ」と述べ、安倍派一掃が問題解決の最善策ではないとの認識を示した。