元陸自隊員3人による強制わいせつ事件の被害者で、元陸上自衛官の五ノ井里奈さん(24)は13日、東京・千代田区の日本外国特派員協会で記者会見した。
元同僚で、五ノ井さんへの強制わいせつ罪に問われた渋谷修太郎被告(31)関根亮斗被告(29)木目沢佑輔被告(29)は無罪を主張していたが、福島地裁は12日、3人に有罪判決を言い渡した。
地裁判決から一夜明けて会見に臨んだ五ノ井さんは、告発に踏み切ったことを振り返り「もともと告発する決断は最初は考えていなかった。(自衛隊という)組織内で解決し、被害(を受けた行為を)してきた人が認めて謝罪をしてほしいと思っていた。和解をしてすぐ仕事に戻る。1日あればできたことだった」とした上で「組織内で解決できず、苦渋の決断で声を上げた」と振り返った。
「最初に声を上げる時も、組織が変わってほしいと思ったからだ。(自衛隊は)女性隊員への配慮がある部隊が増えてきているという声を聞いているし、ハラスメントも(まだ)あると聞いている。すぐに変わるとは思わないが、意識の改善をして再発防止へ少しずつ取り組んで欲しい」と、古巣に要望した。
また「ハラスメントの相談があればしっかり対応できるような上司の方であってほしい。保身を考えるのも分かるが、ハラスメントで苦しんでいる部下がいれば、しっかり配慮して対応してほしい」とも、口にした。
自衛隊で在籍した部隊について「訓練は充実しているが、宴会の時に女性隊員をモノとして扱うようなことがあった。訓練では厳しい言葉があって当然だが、それ以外の私生活で人格を否定するようなことを言ったり傷つけるような発言をするのは、変わって欲しいと思う」と繰り返した。
また、何が告発への背中を押したのかとあらためて問われると「同じような被害を受けた女性隊員もいた。事実を認めて謝罪が欲しいという一心だった」と述べ「同じような被害を受けてほしくないし、すぐに(自衛隊を)辞めるようなことがないように、根本的に組織が変わってほしいという思いだった」と繰り返した。
自衛隊に入隊したのは、東日本大震災で被災した時に支援してくれた女性隊員にあこがれたのがきっかけ。しかし今回の問題を受け、約2年で退職した。
五ノ井さんは「夢を持って入った場所を、こういう形で表に出してしまい、複雑な思いがあった」としながらも「本当に悩んで迷ったが、私の中ではなかったことにはしたくなかった。感謝しているからこそ、良い方向に、ハラスメントがない組織であってほしいという思いが強く、こういう行動に出た部分もある」「自衛隊を批判するつもりはなく、好きで感謝しているからこそ、根本的に変わってほしいと、今も思っている」と述べた。

