岸田文雄首相は26日の衆院予算委員会で、自民党派パーティー裏金事件をめぐり、野党から参考人招致を求める声が出ている森喜朗元首相について、今後さらなる聞き取り調査は不要との認識を示した。これまでの聞き取り調査で「森氏の具体的な関与を指摘する発言はなかった」と述べた。

立憲民主党の奥野総一郎衆院議員の質問に答えた。 森氏はかつて、裏金事件の舞台となった安倍派の流れをくむ森派の会長を務めていた。今月15日に自民党が公表した、派閥や収支報告書への不記載が確認された安倍派と二階派の議員ら計91人に対する聞き取り調査の中では、キックバックが始まった時期について「場合によっては20年以上前から行われていたことも窺われる」と記載。森氏は1998年12月~2000年4月と、2001年5月~2006年10月に派閥会長を務めており、森氏の会長時代に重なる可能性が指摘されていた。

野党はこれまでも、派閥パーティー券収入のノルマ超過分を所属議員にキックバックするシステムについて把握していたかどうか、森氏に話を聞くよう岸田首相に再三求めている。