立憲民主党の野田佳彦元首相は28日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件をめぐる衆院政治倫理審査会(政倫審)に出席する考えを電撃表明した岸田文雄首相に対し、29日に立民の代表として質問することを明らかにした。

「明日2月29日(木)14:00~15:20 衆院政治倫理審査会において、岸田総理に対し質疑に立ちます。(TV中継がされる見込みです)」と投稿した。

野田氏は26日の衆院予算委員会でも質問に立ち、岸田首相と対決。この時は、政倫審の開催方法をめぐりまだ与野党協議を続けていた時で、野田氏は「説明責任というのは誰に果たすのか。国民のためでしょう」「当然、公開すべきじゃないですか。政治倫理審査会は、完全公開でやれと指示したらどうですか」と、完全公開を指示するよう首相に求めていた。しかし首相は「大変重要な場だと思うが、適切に国会でご判断されると考えている」と塩答弁で、全面公開を明言しなかった。

当初、政倫審は28日と29日に行われる予定だったが。出席を申し入れた安倍派、二階派の幹部5人が全面公開に応じず、自民党内でも調整ができなかったことで28日の審査は見送りとなる異常事態になっていた。岸田首相は28日、「マスコミフルオープン」での審査会出席を電撃発表。「政治の信頼回復へ志のある議員には、政倫審やあらゆる場で説明責任を果たしてもらうことを期待している」と公開に消極的だった5人を突き放すように語った結果、5人は全面公開に応じ、政倫審の開催も決まった経緯がある。

一方、野田氏は26日の予算委で、岸田首相が2022年に7回のパーティーを開いて1億3000万円超の利益をあげ、在任中は大規模パーティーを自粛する大臣規範も守っていないとして「なんで7回もやったのか」と批判。「私はいつも金欠ですが、総理大臣になったからといってパーティーをやろうとは思わなかった。(首相のパーティーは)異常ですよ」と批判しており、政倫審開催までの経緯や首相のパーティー開催問題もあらためてテーマになる可能性がある。

29日の政倫審には首相と、二階派の武田良太事務総長が出席。弁明15分、質疑が1時間5分。自民、立民、維新、公明、共産の各党議員が質問する。