自民党の政治資金パーティー裏金事件をめぐり、安倍派(解散決定)でかつて事務総長自民党安倍派(解散決定)でかつて事務総長や会長代理を務めた元幹部の下村博文元文科相が18日、衆院政治倫理審査会(政倫審)に出席した。

下村氏は、関係の悪さが指摘されてきた森喜朗元首相(86)の影響力の大きさについて、再三問われたが「まったく承知していない」と多くを語らなかった。

立憲民主党の寺田学議員が、安倍晋三元首相の死去後も森氏が安倍派に強い影響力を持っていると度々報じられたことや、衆院政倫審出席の可否を森氏に相談した安倍派幹部がいたと報道されたことを指摘。安倍氏の死去直後に発売された月刊誌での森氏の発言として、今後の安倍派を担う人材として「5人組」の名前を挙げた上で「みんな一致していることは『下村博文だけは排除しよう』ということだ」と報じられたことにも言及しながら、「政倫審に自分が出るかどうか森さんに判断を報告しないといけない状態になっていた。下村さんも十分ご承知だったと思うので、昨年の民放の放送では『ここまでじゃまされるとは思わなかった。政界を引退した森氏に影響力が残っているのは残念だ。人事のことを言うならもう1度国会議員になって言えばいい』というくらい吐露されている」と、森氏への思いを吐露した際の下村氏の発言に触れた。

その上で「森会長は安倍さんが亡くなられた後も人事のみならず派閥運営にも大きな影響を持っていたんじゃないですか」と、問われた下村氏は「いずれも私自身、その場所にいたりとか関わったりはしていないので、まったくそのことについては私自身は承知していない」と否定した。

寺田氏は「実質的には、『(安倍派)5人衆』と塩谷さんと森さんの中で物事を決めていくのが、派閥運営だったのではないか」「(森氏は)かなり影響力が大きかったのではないか」とも指摘したが、下村氏は「私は他の方に聴いたこともないし、もちろん私も(森氏に)相談することもありませんので、そのことについてはまったく承知していません」と、かわした。

この日の政倫審では、「犬猿の仲」とされる森氏について下村氏が何を語るかも、注目されていた。