静岡県の川勝平太知事(75)は3日、県庁で記者会見し、1日に新しく入庁した県職員に訓示を行った際、職業差別と受け取れる発言をしたことを受けて2日に辞意を表明したことについて説明した。JR東海がリニア中央新幹線の2027年開業を断念したことをめぐり「大きな区切り」を迎えたことも、辞職の理由に挙げた。

川勝氏の辞意表明をめぐっては立憲民主党の渡辺周衆院議員が3日、国会内での取材に、川勝氏が2日に辞意表明をする前に、「今後について含みの形で言われた」と後継含みの打診のようなものがあったことを明かしたが、川勝氏は「後継打診」ではないと否定した。

「約束を果たしただけです。渡辺さんは国会議員になる前、県議をしていたが、私が知事選に出たときに何度も応援してくださった。『自分も県議の経験もあり、県のかじ取りをしたいが川勝さんが出るなら、私は出ない』とおっしゃった。その時、私が出ない時には連絡を差し上げましょうと約束した」「これで約束は果たしたということを言った」と述べた。

「(後継の)人を選ぶのは有権者。後継者(打診)ではなく、約束を果たしたということに尽きる」とも述べ、過去に知事選に意欲を示したことがある渡辺氏に、単に辞意を報告しただけとの認識を示した。今後、だれかに後継を打診することは「ありません」と述べた。

出直しの知事選に出馬するのか問われたが「私は十分仕事をした。とんでもない。全くありません」と否定した。