将棋の藤井聡太叡王(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖=21)が同学年の伊藤匠(たくみ)七段(21)の挑戦を受ける、第9期叡王戦5番勝負第1局が7日、名古屋市の老舗料亭「か茂免」で行われ、先手の藤井が伊藤を破り、地元・愛知で新年度初勝利を挙げた。第2局は20日、石川県加賀市「アパリゾート佳水郷」で行われる。

ともに02年生まれの同学年対決。両者のタイトル戦での対決は竜王戦、棋王戦に続き、3度目となった。戦型は角換わり。藤井のエース戦法を伊藤が堂々と受けて立った。中盤の勝負どころを迎えた昼食休憩を前後し、両者が長考に沈んだ。難解な中盤のねじ合いでは、両者とも1歩も引かないハイレベルな戦いを繰り広げた。最終盤、藤井が終盤力を発揮し、抜け出した。

これでタイトル戦は持将棋(引き分け)を挟んで15連勝。約7カ月、タイトル戦では負けがない無双状態だ。故大山康晴15世名人のタイトル戦17連勝の歴代1位記録も視野に入る。対伊藤戦は11連勝とした。

新年度も続く怒濤(どとう)の全8冠防衛ロードは、地元白星で幕を開けた。