藤井聡太名人(竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖=21)が初防衛を目指して豊島将之九段(33)の挑戦を受ける、将棋の第82期名人戦7番勝負第1局が10日午前9時からの2日制で、東京都文京区「ホテル椿山荘東京」で始まった。

先手の藤井は昨年度46勝8敗で、年間勝率8割5分2厘と勝率1位となった。1967年(昭42)度に中原誠五段(当時)が記録した47勝8敗、8割5分5厘の将棋界年間最高勝率には1勝及ばなかった。

この8敗の内訳は名人戦(渡辺明)、叡王戦(菅井竜也)、棋聖戦と王位戦(佐々木大地)、王座戦(永瀬拓矢)とタイトル戦で喫した5敗と、銀河戦、朝日杯、NHK杯のトーナンメト決勝でそれぞれ敗れたもの。すべてトップレベルでの黒星だ。しかも、16年10月のデビュー以来、自身の年間勝率としては最高となる。24年度も白星を量産するか。

持ち時間は各9時間。初日の封じ手は午後6時30分の時点で手番の側が行う。昼食休憩は両日とも正午から午後1時。2日目は午後5時から30分の夕食休憩がある。両日ともに午前10時と午後3時におやつが出される。決着は11日夜の見込み。

【動画】1秒、2秒、3秒…両者深々と長い礼 そして藤井聡太名人はいつも通りのお茶!