東京都の小池百合子知事は12日の定例会見で、元側近が、小池氏のエジプト・カイロ大学卒業をめぐる学歴詐称疑惑について月刊誌「文芸春秋」で告白したことをめぐり認識を問われ不快感を示した。

「そもそもが大前提が違う。卒業していないとおっしゃっているが、大学が卒業を認めているし、すでに卒業証書と卒業証明書はこの場でもお伝えしてきている」と述べ、2020年6月に卒業証書と卒業証明書のコピーを報道陣に公開したことに言及。「会見だけでなく、都議会でも説明してきた」と述べ「前回(学歴詐称疑惑で)騒いだ時は2020年6月で、(再選出馬した)都知事選の直前だった。毎度毎度、選挙のたびにこうした記事が出るのは、そもそも残念だ」と述べ、知事選の前になるとこの問題が蒸し返される形になっていることに、不快そうな表情をみせた。

今回、文芸春秋で小池氏を告発したのは、元環境省官僚で小池氏が特別顧問を務める「都民ファーストの会」事務総長を務めた元側近、小島敏郎氏。同誌は「元都民ファーストの会事務総長・弁護士の小島敏郎氏の手記 小池百合子都知事 元側近の爆弾告発『私は学歴詐称工作に加担してしまった』」とした上で、小島氏の手記を掲載。前回の知事選前に小池氏の学歴問題やこれまでの歩みについて記された「女帝 小池百合子」の内容について小池氏から相談を受け、大学側に卒業を証明する声明文を出してもらうように提案したことや、その声明文は小池氏のブレーンの元ジャーナリストが書いたと打ち明けられたことで、声明文の真贋(しんがん)性について、疑問を抱いたなどとする内容。

小池氏は2020年の都知事選出馬表明に合わせて卒業証書や卒業証明書を公開して、疑惑を完全否定した。カイロ大側も小池氏が1976年に同大学を卒業したとの声明を出したことで、当時は問題が沈静化した経緯がある。

小池氏は会見で、カイロ大卒業の事実や、すでに公表している卒業証書や卒業証明書は真性なものかとあらためて問われると、「当然であります」と答えた。