東京都の小池百合子知事は12日の定例会見で、衆院東京15区補選(4月16日告示、28日投開票)で自身が出馬を打診した作家の乙武洋匡氏(48)に対する推薦を自民党が見送ったことについて「自民党には推薦依頼は出していないが、きめこまかく、さまざまな個人や団体に和を広げていきたい」と述べた。

記者から、無所属での出馬は小池氏の提案で、自民、公明両党への推薦依頼は自発的に行わないことも小池氏とすりあわせた上での対応だと、乙武氏が認めたと指摘されると「そうですね」と述べた上で「今回の補選は非常に重要。江東区という土地柄なども考え、幅広い方々にお支えいただくのがいいのではないかなどは、ご提案をさせてもらった」と認めた。今回の補選での自民党との関係については「個々の方々やさまざまな関連団体を含め、連携を深めていくことを考えている」と述べ、党全体としてではない形での連携に意欲を示した。

乙武氏に対してはこの日、小池氏が特別顧問を務める都民ファーストの会が推薦を決めた。国民民主党とも「(推薦へ)コミュニケーションを重ねている」とした上で、過去の女性問題を理由に、乙武氏への支援に慎重とされる公明党については「福祉の分野でつながりが強い公明党さん(への対応)は、丁寧に当たりたいと(乙武氏)本人も考えている」と強調した。

同補選には立憲民主党の酒井菜摘氏(37)、日本維新の会の金沢結衣氏(33)、参政党の吉川里奈氏(36)、日本保守党の飯山陽氏(48)、無所属の秋元司氏(52)、参院議員で無所属の須藤元気氏(46)、つばさの党の根本良輔氏(29)も立候補を表明している。