16日に告示された衆院3補選の1つ、衆院東京15区補選(4月28日投開票)に立候補した候補者9人は、選挙戦最初で最後の日曜日となった21日、東京都江東区内でそれぞれの形で有権者に支持を訴えた。

立憲民主党の新人で、元江東区議の酒井菜摘氏(37)は、蓮舫参院議員や福山哲郎前幹事長ら党所属国会議員と選挙区内で街頭演説。看護師、助産師として医療現場で12年働いた実績や、がんを克服した経験、6歳の母親としての立場を自己紹介しながら「衆参で700名くらい国会議員はいるが、助産師の資格を持つ国会議員は1人もいない。少子化対策や、女性が安心して出産でき、子育てができる対策を、しっかり進めたい」と訴えた。

今回の補選は、昨年4月の江東区長選をめぐる公選法違反事件で柿沢未途衆院議員(自民党離党)が辞職したことに伴うもの。昨年の区長選にも出馬し、次点で敗れた酒井氏は「前回(昨年の区長選)に続き、この選挙も、本当は行われなくてもよかった、辞職に伴う選挙。昨年の区長選は10%も投票率が下がった」と、有権者の政治不信に触れた上で「どうか政治をあきらめないでいただきたい」と呼びかけた。

また、自民党の派閥パーティー裏金事件を受けた今後の国会での対応を念頭に「今こそまっとうな政治を実現するために、最大野党の立憲民主党が政治資金規正法の改正に力をを注げるよう、ぜひ力を貸していただきたい」とも訴えた。

応援に入った福山氏は「自民党議員が事件を起こして辞職した結果の補欠選挙。どうせ代わりの議員を選ぶなら、まともなまっとうな仕事をしてくれる人を選んでほしい。地域の医療や子育てをだれよりも知り、江東区の現場をいちばんみているのは酒井さんだ」と述べ「東京15区からまっとうな政治ののろしを上げて欲しい」とも呼びかけた。

同補選には、NHKから国民を守る党の新人で弁護士の福永活也氏(43)、無所属の作家、乙武洋匡氏(48=国民民主党、都民ファーストの会推薦)、参政党の新人で看護師の吉川里奈氏(36)、無所属の元衆院議員、秋元司氏(52)、日本維新の会の新人で元会社員の金沢結衣氏(33=教育無償化を実現する会推薦)、つばさの党の新人で会社経営の根本良輔氏(29)、日本保守党の新人で大学客員教授の飯山陽氏(48)、無所属の前参院議員、須藤元気氏(46)も立候補している。