将棋の柵木(ませぎ)幹太四段(27)が25日、大阪府高槻市の関西将棋会館で行われた第38期竜王戦6組昇級者決定戦で南芳一九段(61)に勝ち、規定によりフリークラスから順位戦C級2組への昇級を決めた。来年度の84期順位戦から参加する。順位戦はA級からC2まで5クラスあり、リーグ戦の成績によって昇級・降級し、A級優勝者が名人戦の挑戦者になる。フリークラスから順位戦に昇級した棋士は13人目。

柵木はこの日の勝利で直近の成績を20勝10敗とし、「良い所取りで30局以上の勝率が6割5分以上」の昇級規定を満たした。

戦型は雁木(がんぎ)。終盤に柵木が抜けだし、熱戦を制した。

終局後、「とりあえずホッとしています」と笑顔を見せた。

名古屋大を卒業し、同大大学院に進学したが、退学した柵木はプロ養成機関の三段リーグで7年間を過ごし、次点を2回取り、四段に昇段。23年4月にプロ入りした。フリークラスから10年以内に昇級できないと引退に追い込まれる状態をプロ3年目で脱した。

師匠である増田裕司七段(54)が23日、第38期竜王戦6組昇級者決定戦の齊藤裕也四段との対局に敗れ、この対局を最後に現役を引退した。プロ入りしたとき、師匠からは「プロになって2~3年が勝負だぞ」との言葉ももらった。「最初のうちは分からなかったが、プロ入り3年目になり、そろそろ決めないとまずいぞ」と決意を決めた。

大きな転機もあった。柵木は西山朋佳女流3冠(白玲・女王・女流王将=)が将棋史上初の「女性棋士」の誕生かと注目を集めたプロ棋士編入試験5番勝負第5局で試験官となり、西山に勝利。西山はこの黒星で、対戦成績2勝3敗で不合格となった。柵木にとっては非公式戦だが、真剣勝負に臨むにあたり「生活を改めた」という。

来年度の順位戦に向け「ここから1年以上あるが、しっかり準備したい」と気合を入れた。