ジャーナリスト池上彰氏は9日、テレビ朝日系「大下容子ワイド!スクランブル」(月~金曜午前10時25分)に出演し、価格高騰するコメの政策をめぐって自民党の森山裕幹事長と小泉進次郎農相の間で、異なる発言が表面化していることについて、参院選を控えて「高度な作戦のような気がしますね」と指摘した。
政府備蓄米の放出を、それまでの一般競争入札から随意契約に変更し、5キロあたり税抜き2000円前後で小売りなどに売り渡した進次郎氏は6日の閣議後会見で、政府備蓄米放出後もコメ価格高騰が続いた場合「緊急輸入も含めてあらゆる選択肢をもって迎えたい」と、踏み込んだ。また「ブラックボックス」ともいわれるコメの流通過程の解明にも言及、改革姿勢を強く打ち出している。一方、自民党農林族の実力者といわれる森山氏は7日、流通のあり方検証には理解を示しつつ、主食用米の輸入拡大には慎重な立場を表明。「主食であるコメを外国に頼ってはいけない。国産で、国民に安心してもらえる農業政策を打ち立てていくのが大事」と述べるなど、進次郎氏が踏み込んだ外国産米の輸入には否定的な見解を示した。
池上氏は「森山幹事長が、コメの生産農家が安心してコメを作れるようなことが大事だ、主食は外国のものに頼ってはいけないというのは正論。本当にそうなんですよ」とした上で「そうなんですけど、じゃあどうしてこんなことになったんですかというと、これまでの、自民党の農政の責任でしょという話になる」と、指摘。「だから(森山氏が)言っていることは正しいんだけど、結果的にこうなってしまったのはなぜなんだ、ということにメスを入れないといけない」と述べた。
その上で「備蓄米が尽きたらきたらどうなんだ、また値段が上がるかも知れないと思う人がいるので、いざというときは輸入することもあり得るんですよ、という言い方をしておいて、実際にはしなくて価格を下げようという、そういう狙いがあるのではないかと思いますよね」と述べた。
番組MCの大下容子アナウンサーから「森山幹事長と小泉大臣とで、ちょっと意見が違うように聞こえるんですが。生産者の方をフォローするコメントと、消費者の方をフォローするコメントをあえて、両論立てているという面はないんでしょうか」と問われた池上氏は「あるんだろうと思いますよ」と肯定的に応じた。
「選挙になりますとね、特に農業の票も欲しいし、消費者の票も欲しいという時に、こういう言い方をしておくと、両面からの票が考えられるという、たぶん、高度な作戦のような気がしますね」と、森山氏と進次郎氏の「表裏」のような発言は、選挙を意識した戦略的なものではないか、と分析してみせた。
「進次郎コメ劇場」の影響なのか、ANNの世論調査で石破内閣の支持率が上昇していると大下アナが言及すると、池上氏は「内閣支持率によって、いろんな政策が変わってくるという、今回などは本当に、その典型ですよね」と、やや皮肉交じりに指摘した。

