鈴木憲和農相は12日の参院予算委員会で、「重点支援地方交付金」を使った物価高対策の一環として全国の自治体に活用を推奨する「おこめ券」に批判が相次いでいることをめぐり、全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)やJA全農が、批判の対象の1つでもある60円分の事務経費を引き下げる方針を示したことなどを挙げ、あくまで、おこめ券“推し”の姿勢をアピールした。
鈴木氏は、重点支援地方交付金の使い方について、「各市区町村において、できるだけ負担感が少なく速やかな実施がはかられる方法を選択して進めていただけると承知している」とした上で、「報道を拝見していると、おこめ券には大きく分けて3つの点でさまざまなご意見があると受け止めている」と述べ、「今日は中継もしていただいており、中継を見ていただいている生活者のみなさまや自治体のみなさまもいらっしゃるかもしれない。私なりに分かりやすく説明したい」と述べ、NHKの生中継やネットの生配信を念頭に「生解説」に踏み切った。
最初に挙げたのがコスト高の点。おこめ券1枚500円のうち米に使えるのは440円分で60円分が事務経費となる点には、福岡市の高島宗一郎市長が9日の会見で「国として問題意識を持ってほしい」と苦言を呈するなど、自治体から多くの疑問の声がでている。
鈴木農相は「事務コストが高いのではというご指摘があるが」とした上で、「全米販からは、必要経費を精査の上、重点支援地方交付金を活用した場合、一律477円で自治体のみなさんとやらせていただくということで報告を受けた。JA全農からも、1枚当たりの額面440円に必要な経費のみを加えた販売価格を設定する旨のリリースがなされた。コストについては引き下がるということになる」と、事務コストが「値下がり」すると訴えた。
また、「おこめ券はお米しか買えなくて使い勝手が悪いのではないかという報道も承知しているが、実態はお米しか買えないわけでは、けしてない。利用店が認めた商品に利用が可能だ」と主張。「食料品の高騰の負担感を軽減することが、特別加算枠の目的。私自身としては(おこめ券は)うまく適合しているものだと思う」とも訴えた。
さらに「スピード感がないのではないかというご指摘だが、これまでさまざまな自治体の方から相談をいただいているが、中には、国の補正予算が成立すれば、住民の方に、年内におこめ券をお届けできるという連絡をいただいている自治体もある」と、一部自治体の声を紹介。「別の手段と比べてもかなり早いのではないかという認識も、私としてもしている」と述べたが、そうした声がどれほどの自治体から寄せられているのかなどには、触れなかった。
鈴木農相は「大事なことは、食料品の値上がりに対し、負担感を感じている方が毎日、特にスーパーに買い物にいくわけですから、その都度、どういう手段なら食料品高騰の負担感の軽減になるかという観点」と述べ、「農林水産省としては引き続き、消費者、生活者のみなさんの負担感を少しでもやわらげることができるよう、地方自治体からの相談にも真摯(しんし)に応じて参りたい」と述べ、おこめ券アピールの立場を最後まで貫いた。
自民党の加藤明良議員の質問に対する答弁。

