衆院憲法審査会が23日、国会内で行われ、審議内容について幅広い国民に知ってもらうため、NHKでの中継を求める声が、出席した議員から相次いだ。これに対し、衆院法制局の担当者は、かつて局側から「現状では憲法審査会に対する国民の関心は、通常の番組編成を変更して国会中継を行うほど高くない」という認識が示されたことを明かし、出席した議員から苦笑とも失笑ともつかないような笑いが漏れた。
この日は、大規模災害に備えた「緊急事態条項」をめぐる内容について討議が行われ、出席した各会派の委員が発言した。その中で、国民民主党の玉木雄一郎代表は発言冒頭、今後の運営に関する提案の一つとして「広く国民に議論していただくために、NHK中継をぜひお願いしたい」と要望。日本維新の会の阿部圭史議員も「NHK中継について私からも提案したい」と述べ、「かつて議席を有していた立憲民主党の議員からも賛同する発言があり、我々も含めて主要会派はみんな賛同しています。幹事会には、NHKからの返答があったと理解していますが、平場でも共有をしていただきたい」と求めた。
これに対し、答弁に立った衆議院法制局の橘幸信特別参与は、「令和6年12月13日、幹事会でNHKに中継を申し入れるべきとのご発言があり、憲法審査会事務局がNHKからヒアリングを行った」とした上で、昨年1月、事務局がNHKの担当者に国会中継の基本的な考え方について聴いたところ、「NHKとして国会中継に関する明確な基準は設けていない」として、<1>施政方針演説や所信表明演説、それらへの代表質問<2>予算委員会の基本的質疑<3>予算委員会の集中審議で、特に国民の関心が高いもの<4>その他、国民の関心が高いテーマで、かつ理事会などから全会一致での要請があることなどを、「総合的に勘案するということでございました」と言及。「わが憲法審査会に連なる調査会特別委員会でも、憲法調査特別委員会当時の平成18年10月26日の憲法改正国民投票法の趣旨説明と質疑は、総理出席などなくして中継されている」と、過去に中継されたケースはあることを明かした。
その上で「NHKとしては(ヒアリングの)当時、現状では憲法審査会に対する国民の関心は、通常の番組編成を変更して国会中継を行うほど高くないと、そのようなご認識が表明されたものとうかがっております」と述べると、委員会室では苦笑のような失笑が漏れ、一時大きくザワついた。
橘氏はさらに「それが幹事懇談会に報告され、当時の枝野(幸男)会長より『国民の関心が高まるよう、憲法審査会で議論を重ねよう。NHKへの中継要請は、あらためて幹事会で協議することとしたい』、という形で収まったものと承知しております」と述べた。
これに対し、阿部氏は「NHKの認識も今や、もう変わったものと認識をしております」とした上で、「まさに、この国会においては、憲法改正に焦点が当たってきている。ぜひまた幹事会でもご議論いただきたいと思っています」と、あらためて要請した。
NHK出身の参政党の和田正宗議員も、「NHKのテレビ中継については、参政党としてもしっかり求めたいと思います」と訴えた。

