簗和生農相(47)は14日夕、官邸で高市早苗首相(65)と面会し、辞表を提出した。
2月の衆院選で首長が自身を支援しなかった地元2市町の道路予算「大幅カット」発言や、衆院選でのシャトルバスによる支援者無料送迎の問題が報じられ、初動対応のまずさもあって強い批判を受けてきた。
事実上の更迭だ。
簗氏は高市首相と面会後、官邸で短い時間、メディアの取材に応じ「辞表を提出した」として、自ら結論を出したと述べた。理由は「国会審議、農林水産行政にこれ以上迷惑をかけるわけにいかない」とした。地元への説明の意思を問われると「関係者に大変ご迷惑をかけた。おわびを申し上げます」と述べた。
先月17日の就任後、1カ月にも満たない中での辞任となったことから、矢継ぎ早にさまざまな質問が飛んだが、明確には答えず、議員辞職などの質問には応じず、取材を打ち切る形で立ち去った。
簗氏に対しては、少数与党の参議院で野党が、簗氏が辞任しない場合の問責決議案提出方針で大筋合意していた。問責決議案が出されれば今後の国会日程にも影響するため、高市首相肝いりで、与党が20日の衆院審議入りを目指す消費税減税法案の行方にも支障が生じかねない雲行きとなっていた。
「知恵袋」「私の大事なやなちゃん」と選挙応援で持ち上げて簗氏を重用し、一連の問題発覚後も「働いて仕事で返せ」と一貫して守る姿勢をみせてきた高市首相も、シャトルバス問題で公職選挙法に抵触する疑いも指摘された13日の国会答弁を機に、発言のトーンを変化させた。「(予算大幅カット発言は)本当にダサいと思います」「(シャトルバス問題で)仮に違法性があるようなら、その時はちゅうちょしない」と、状況次第での更迭に含みを持たせていたが、地元自治体への「予算カット発言」には自民党内で、当初から「あり得ない」と批判が相次いでおり、自身に近い簗氏を守ろうとした首相の危機管理対応力にも、疑問符がつく形となった。
高市首相はこの日の衆院予算委員会では、大幅予算カット発言について「政治家としてみっともない、本当にみっともないことだということもございました」と、厳しくただした。。
「私は(今回)大臣を選ぶときに、政策構築能力の分野にどれだけの知識や情熱を持っているかを重視した。昨日以来の答弁も、この問題になりますといまひとつですが、農業政策に関しては紙も見ずしっかりと答えるすばらしい答弁をしていた」とした上で、「ですから、いろんなことが今回あって、なかなかみなさまの納得をいただけていない説明しかできていない今の現状が、私は残念でなりません」と語った。
「本来は大臣として十分な能力を兼ね備えた人」と述べ、「本来は」という言葉を加えることで、簗氏への大臣としての信頼感が薄れていることもうかがわせていた。

