★12日、共産党は3日間の予定で第10回中央委員会総会を党本部で開き、綱領の改定案を提示した。議長・志位和夫が2時間半にわたり綱領の改定部分を説明、理解を求めた。1章から5章まである綱領で歴史と現状、政界情勢については大筋は変わらないものの、天皇制について「形を変えて天皇制の存続を認めた」を削除し、「(憲法の)天皇条項は民主主義の徹底に逆行する弱点を残したものだったが」から「そこでも天皇の地位は『主権の存する日本国民の総意に基づくとされ』に変わった。事実上の天皇制への柔軟な対応に大きく変わった。

★また在日米軍に関しては沖縄を念頭に「治外法権的な特権を与えられた日米地位協定の下で」が加筆され、最近の軍事情勢と軍国主義台頭に強い懸念を示した。自衛隊に関しても「事実上アメリカ軍の掌握と指揮のもとに」が削除され「指揮と統制のもとに深く組み込まれており」に修正された。日本社会における「社会のルール」が確立されていないことへの懸念は「女性差別」から「ジェンダー平等」の面と広範囲な人権に広げる表現に変えた。共産党のイメージは集団で目標に向かう生産性の追求で自由がないと思われているが、最近同党が選挙のたびに訴えてきた社会を発展させる基盤として、労働時間の短縮により国民一人一人の「自由な時間」を広げることを目指す、個人の拡大は若い人の「自分の時間」と重なるのではないか。

★まさに5章はこれからを描いたもので大きく改定された。また今まですべてを敵にして戦ってきた党のイメージが、何と戦うのかが明確になったといえる。AIやジェンダーなど現代的なテーマや脅威に触れ「資本主義の利潤第一主義とそれを生み出す害悪から自由になる社会」は関心を呼ぶかもしれないが、この綱領は党内でも世代によって受け止めが違うだろうし、野党再編が言われる今、与野党にどう映るかも大事だ。綱領を読むだけでもなかなか理解が追い付かない。何より国民にこれをかみ砕いて説明、理解してもらう知恵と能力が求められよう。来年の党大会で改定となろうが、どんなに選挙で負けても役員が変わるのは綱領改定の時と言われる党は新たな人事も模索するのか。(K)※敬称略