追加登録でフランスから参戦した仏ダービー馬ヴァデニ(牡3、J・ルジェ、父チャーチル)がG1連勝を果たした。鞍上はクリストフ・スミヨンで勝ちタイムは2分5秒20。

タタソールズゴールドカップ覇者アレンカーが逃げ、前走プリンスオブウェールズS2着のベイブリッジが2番手。インでロードノースとミシュリフが脚をため、外からゴドルフィンの愛2000ギニー覇者ネイティブトレイルとヴァデニの3歳馬2頭が鋭く脚を伸ばした。6頭立てだったが、各馬がわずかなスペースを狙った激しい追い比べとなった。最後方追走だったヴァデニとスミヨン騎手は残り200メートルで大外から一気に先頭へ。内で挟まれる形から立て直したミシュリフがゴール前で強襲したが、これを首差で退けた。2着と頭差の3着にネイティブトレイル。4着にロードノースが入り、最終的に現地で1番人気だったベイブリッジは5着。逃げたアレンカーが最下位6着だった。

レースの勝敗には関係なかったものの、ゴールを通過後、ヴァデニの勝利を喜んだスミヨン騎手が左手でガッツポーズをつくり、右腕を振り下ろして、絶叫。ヴァデニが右へ切れ込んで、内を走っていたネイティブトレイルとロードノースの進路をふさぎ、ロードノースに騎乗していたジェームズ・ドイル騎手が落馬しそうになる事象があった。スミヨン騎手は不注意騎乗のため、12日間の騎乗停止処分を受けている。

「レーシングポスト」電子版は管理するルジェ師のコメントを伝えており、ルジェ師は「彼(ヴァデニ)は2000メートルの馬だと思います。このレースを勝てたのは彼の種牡馬としてのキャリアへ向けても重要です」と評価。過去に自身が管理し、英愛のチャンピオンSを制したアルマンゾルと同様、ヴァデニの次走は愛チャンピオンS(G1、芝2000メートル、9月10日=レパーズタウン)が有力となっている。凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月2日=パリロンシャン)へ向けたブックメーカーの単勝前売りオッズは「パディーパワー」が6倍、「コーラル」が7倍へ評価を上げているが、参戦するかどうかは不透明だ。