真夏の電撃戦、アイビスSD(G3、芝直線1000メートル、31日=新潟)にルーキーの今村聖奈騎手(18=寺島)がオヌシナニモノ(牡5、高橋忠)で参戦する。女性ジョッキーの先輩、藤田菜七子騎手(24=根本)もスティクス(牝4、武幸)に騎乗予定。JRA所属の女性騎手が重賞で対戦するのは史上初で、開幕週の新潟が熱く盛り上がりそうだ。

「千直女王」が先輩の意地を見せる。藤田菜七子騎手はスティクスと初コンビを組む。新潟ではJRA143勝中63勝をマークし、名物の芝直線1000メートルは通算98戦10勝で勝率10・2%、連対率15・3%。デビューした16年以降では、舞台を得意とした西田雄一郎騎手(現調教師)の9勝を上回り最多を誇る。

重賞騎乗は1年前のアイビスSD(セピアノーツ13着)以来。病気のため2週騎乗を取りやめ、今週から復帰予定だ。パートナーのスティクスは全4勝が1200メートル。2走前の韋駄天Sで“千直”に初挑戦して10着も、勝ち馬から0秒6差と奮闘した。前走はCBC賞7着だった。

21日の1週前追い切りは栗東坂路を単走で4ハロン52秒4-12秒5(強め)を計時した。武幸師は「動きは良かった。少し右にもたれる面があるが少しずつ解消している。すっと前へ行ければ」と期待する。鞍上は芝重賞、同馬は重賞初制覇を目指し、真夏の新潟を駆け抜ける。

◆重賞の女性騎手対決 JRA重賞では99年新潟3歳S(現新潟2歳S)で、地方(新潟)所属の山本泉がナッツベリー(7着)に、JRAの細江純子がドリームセイコー(10着)に騎乗し対決が1度ある。JRA所属騎手同士の対決は前例がない。

◆新潟芝直線1000メートル スタート地点はホームストレッチの一番左端。発走直後から高低差約1メートルの上り坂。200メートルを過ぎたあたりで下り坂。その後もう1回緩い上り下りがあり、残り300メートル付近からゴールまでが平たん。フルゲートはAコース18頭、Bコース16頭。