英国のグロリアスグッドウッド開催が火曜(26日)から始まりました。

土曜までの5日間開催では夏の長距離王を決めるG1グッドウッドC(芝3200メートル)や3歳と古馬のトップマイラーが激突するG1サセックスS(芝1600メートル)、それに19年のディアドラ優勝で日本でも知られることとなった牝馬限定のG1ナッソーS(芝1980メートル)など、合計13の重賞競走が行われる事になっています。

日本時間で水曜の午後11時35分に発走予定のサセックスSには3月のゴドルフィンマイル(メイダン、ダート1600メートル)を逃げ切ったバスラットレオン(牡4、矢作、父キズナ)が、坂井瑠星騎手とのコンビで7頭立ての5番枠から出走します。

逃げたい馬はバスラットレオンだけで、単勝1・2倍という圧倒的な人気に推されているバーイード(牡4、父シーザスターズ)の前でレースを運べる利があり、前半にどれだけのリードを奪えるかが好走の鍵を握りそうです。

昨年6月のデビューから負けなしの8連勝(G1・4連勝)で、ここに臨むバーイードは、父が英ダービー、凱旋門賞など9戦8勝のシーザスターズ。母系は5代母がエリザベス女王所有のハイトオブファッションで、近親にディープインパクトを持つぴかぴかの良血。今年5月のロッキンジS、6月のクイーンアンSはともに中団からスピードの違いを見せつけて連勝中。欧州のマイル戦に敵は見えません。

ジュライCでG1・4勝目を挙げて、サセックスSで2番人気になっているアルコールフリーとは昨年秋のG1クイーンエリザベス2世Sと今年のロッキンジSで2度対戦していますが、前者で約8馬身、後者で約6馬身という決定的な差をつけているだけに欧州馬での逆転は難しいように映ります。

14戦不敗で現役を退き、欧州を代表する種牡馬になった名馬フランケルの軌跡をたどるバーイード陣営はサセックスSでマイル路線を卒業し、8月のG1英インターナショナルS(芝2050メートル)から中距離路線に活躍の場を移すことを計画しています。

最後のマイル戦に臨む強敵を相手にバスラットレオンがどんな競馬を挑むか…注目して夜を待ちたいと思います。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)